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12 Light Proverbs|2017 3月

光あるうち光の中を歩め

レフ・ニコラエヴィッチ・トルストイ(1828年~1910年)は19世紀ロシア文学を代表する文豪で小説家、思想家である。あらゆる秩序を批判し、暴力を否定し、トルストイ主義と呼ばれるキリスト教的な人間愛と道徳的自己完成を説いた。

「光あるうち光の中を歩め」はトルストイが1887年、58歳の時に執筆した小説である。キリスト教が国教化する以前の原始キリスト教時代に託してトルストイの宗教哲学がそのまま語られており、キリスト教の教えを讃える内容となっている。  

人生を幸福に生きるにはどうすれば良いのかについて人は迷い、悩み、苦しみながらその答えを探し求めて生きる。自分の欲望を捨てて、人のために生き、すべてを平等に愛しみ、神を信じることにより、真の幸福が得られるということをトルストイはこの小説で説いている。

物語はローマ時代のある商人がキリスト教の理念に共感しながらも、俗世の誘惑やしがらみから信仰生活に踏み出せなかったが、人生の終盤でようやく原始キリスト教団に帰依していくという内容である。

キリスト教徒が政治犯としてローマ政府から迫害され、民衆からも忌み嫌われていた原始キリスト教時代にキリスト教を信じるということは普通の生活を捨てることになり、覚悟が必要であった。信者になろうとしながら何度も諦めてしまう商人とキリスト教信者の友人との議論が展開され、最終的に商人は信者となって幸福な生活を送ることができる。信仰心があれば信者になることはたとえ時間がたってからでも遅くはないというメッセージが込められている。

旧約聖書にはヨハネによる福音書にキリストの言葉として――「光は、いましばらく、あなたがたの間にある。暗闇に追いつかれないように、光のあるうちに歩きなさい。暗闇の中を歩く者は、自分がどこへ行くのか分からない。光の子となるために、光のあるうちに、光を信じなさい。」――とある。 

この場合の光はキリスト自身のことを指しており、キリストが十字架に架かり地上からいなくなる前にこのチャンスを逃さずに信じなさいという信仰の決断を迫っている言葉である。イエスを信じない人々は暗闇の中にいるがイエスを信じればその暗闇を明るく照らしてくれ、迷うことなく正しい道に導いてくださるというメッセージである。

トルストイは、このキリストの言葉を引用し、キリストの教えに忠実に生きることを勧めたこの小説の題名とした。
トルストイ自身も40代後半から人生の無意味に苦しみ、自殺を考えるようになる。
精神的な彷徨の末、宗教や民衆の素朴な生き方に惹かれ、自己完成を目指す原始キリスト教的な独自の教義を作り上げ、その教義を広める思想家として活動するようになった。

光あるうち光の中を歩め

光を宗教として捉え、自己の欲望を捨て他人の前に生き、全てを等しく愛し、神の忠実なるしもべとなることで初めて真の幸福が訪れると説くトルストイの熱い思いが込められた言葉である。


 
2015
1月 世に光を
2月 光はあなたを導く
3月 光がある所に陰影がある
4月 光であなたの心を明るく
5月 光には国境がない
6月 光を自由自在に
7月 七色の光達
8月 光は人生と共に
9月 光には個性がある
10月 光は前に進む
11月 光は真実を照らす
12月 未来に繋がる光


2016
1月 光は未来である。
2月 いかなる人にも光がある。
3月 勇気は逆境における光である。
4月 いかなる星にも光あり、
いかなる花にも香りあり

5月 一寸先は光
6月 光は、それがどこから来るかを
考えない人をも照らす。

7月 光が多いところでは、影も強くなる
8月 自分の力の成長が、理想の真実の
光である

9月 理想を掲げる限り、茨の道の先にも
光は見える。

10月 空気と光と友人の愛。
これだけ残っていれば、気を落とすことはない。

11月 闇深ければ、光もまた強し
12月 恋は炎であると同時に光でなければならない


2017
1月 空間の光は心の光
2月 人生あまり難しく考えなさんな。
暗かったら窓を開けろ、光がさしてくる。
3月 光あるうち光の中を歩め
4月 光を胸に、心新たに
5月 勉学は光であり、無学は闇である。
6月 闇は、闇で追い払うことはできない。
光だけがそれを可能にする。
7月 太陽の光と雲ひとつない青空があって、
それを眺めていられるかぎり、どうして悲しく
なれるというの?
8月 必死に生きてこそ、その生涯は光を放つ。
9月 昼の光に、夜の闇の深さが分かるものか。
10月 光の中を一人で歩むよりも、闇の中を
友人と共に歩むほうが良い。
11月 理性は、神が魂に点火した光なり。
12月 お前の光は、今、何処にある。