秋に寄せる光の風情

秋の風情を感じる行事の1つとしてハロウィンがある。歴史的にはイギリスやアイルランドなど、アングロ・サクソン系諸国が宗教的な祭りとして行われていたの が起源とされ、最近では日本でも楽しまれる行事となっている。魔女やお化けに仮装した子供達が「Trick or treat!」と言いながらお菓子をもらいに近所の家を訪ねるこの行事、日本でも似たような行事があることをご存じだろうか。

北海道に「ローソクもらい」という行事がある。子供たちが浴衣を着て提灯を持ち、夕方から夜にかけて近所の家々を回って歌を歌い、ローソクやお菓子を貰い歩く習わしだ。時期も七夕からお盆にかけて行われることも含め、なまめかしい雰囲気漂うところなども似ている。

日 本ではお盆のころ、灯篭流し・お盆の送り火や迎え火など、ろうそくの光を使用する場面が多々存在する。その由縁としては、淡い光が仏の慈悲によって人の心 を明るくする、また、先祖や子孫へ生きるための光を導きだす一種の道しるべとも言われているようだ。日本人にとってろうそくの光とは、何とも懐かしくやわ らかく、安らぎを感じる光ではないかと思う。その光には魂が宿っているようにも見える。