灰色の下のストーリー

シルバーグレイの空に包まれる梅雨の季節。
ほんの少し前の、春の暖かな光がかすむ季節。
ほんわかした春の空気と、湿った少し冷たい空気。
春と夏の合間。

土と木々のにおいが、都会の街にそっと佇む(たたずむ)。
開けた窓から独特な風が頬を通り過ぎては、
弱まっていく春の感覚に、束の間の愛おしさを感じる。

シルバーグレイの空の下の、彩色豊かな紫陽花たち。
シルバーグレイの空の下の、カラフルな傘たち。

春と夏の合間。
ほんの短い間の出来事。
太陽不在の、凹凸や明暗を生みそうもない空だけれど、
それでもストーリーは生まれています。