育児と光(2)

赤ちゃんと光

生まれたばかりの赤ちゃんは、どのような視覚の世界をもっているのだろうか。
視力については、新生児の時は明るさと暗さは区別でき、視力は0.02で視界はぼんやりしていて、視界の限界は30センチである。生後6か月では視力0.1となり、人の表情の違いが分かるようになる。1歳ごろには視力0.2で物の形の区別ができ始め移動する物体を素早く目で追うことができるようになる。

色彩感覚については、新生児の頃はモノトーンの世界であるが、数週間たったころから色彩を認識できるようになる。最初に「赤」を認識できるようになり、次に「黄」「緑」「オレンジ」を認識し、さらに「紫」や「青」を認識できるようになりっていくと言われている。

人間は、生後1年間ぐらいをかけて、五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)を感じ取るため
の脳の神経回路が発達していく。

視覚についても視機能の成長と共に光を目で吸収し、その刺激が脳で処理されてイメージの現象が行われることによって脳が正常に発達していく。
外部刺激としての光は赤ちゃんの目や脳の健やかな成長に密接な関係があり、赤ちゃんに最適な光環境づくりは非常に大切なことなのである。

では、実際に赤ちゃんに望ましい光環境とはどんなものであろう。
視力が弱く、立体視ができない生まれたばかりの赤ちゃんはすべてがぼんやりとして平面的な世界に見えている。その為、視機能の発達を促すためには、明暗や色のコントラストのある良い刺激を空間に作り出すことが望ましい。

具体的には、間接照明のような影の出ない照明ではなく、スポットライトなどで光が当たっている明るい部分と、当たっていない暗い部分が空間にできるような環境やカラフルな色彩の物が存在する環境である。陰影のある空間演出である。

また、赤ちゃんの成長に必要な質の良い睡眠をとるためには、夜間の照明は消して真っ暗にするのが理想である。赤ちゃんは3,4か月までは、「強制注視」という性質をもっていて、小さな天井吊り照明器具の豆電球の光でも凝視してしまい、刺激となって睡眠の質を落としてしまう。もし常夜灯を付ける場合は、コンセント式の足元灯などにしてあお向けに寝ている赤ちゃんの目に直接光が入らないようにしたい。

赤ちゃんの目は澄んでいてきらきらと輝く美しい目でつい見とれてしまう。この輝きを失うことのないように大人が光を工夫してあげることで、赤ちゃんの健やかな視覚の成長を促し、快適で健康的な生活ができるようにしてあげたいものである。

 

photo by Mad Ball