色彩が象徴するもの – 赤・黄・青

国家間でそれぞれの色を見る感性は、少しずつ異なっている事が前回のトピックスで書いたが、他の色についても同様にどのような感覚を持っているのだろうか。
赤・青・黄色を例に挙げてみよう。
 
 

情熱や活気などのイメージがあり、キリスト教では神の愛、罪と血の象徴。
警戒色として警告や禁止の色として使われる一方、中国では忠義を表す色とされる。

国旗においては日本の赤い丸は朝日を象徴しており、中国やベトナム、カンボジアなどの国旗では赤は共産主義やその勝利を表す。イタリアでは愛国者の血、熱血を表し、中国では革命を表す。インドネシア、フィリピンでは独立戦争の勇気の象徴で熱い心を表す色として使われている。


仏教や儒教世界では最も高貴な色とされている。
中国では黄色は皇帝のシンボルカラーとなっており、国旗の星の黄色は光明を表している。

西洋では黄色は「裏切り」「嫉妬」「排斥」などマイナスのイメージがある。一説にキリストを裏切ったユダの服の色が黄色だったからと言われている。


古代から世界では日常と離れた別の世界の色とされ、象徴的意味の弱い色であった。古代ローマでは喪服の色であったり野蛮さを象徴する回避すべき色であった。
西洋では12世紀ごろから青は最も美しい色とされ、絵画に描かれる聖母マリアの服も暗い青から明るい青へと変化していった。
現代では青は希望、冷静、神秘などの象徴とされ、平和の象徴として国際連合のシンボルカラーとなっている。
 
 
各国の色彩のイメージはその国の宗教観、歴史などを礎に作られている。国旗を眺める時などにそれぞれの国の色に対する意味や思いを考えながら見るとまた違った趣を感じられるかもしれない。
 
 
Photo by Tim Noonan