ステンドグラスの歴史 (3) – ステンドグラスの始まり




Light+では、前回のル・ランシーの教会やゴシック建築のステンドグラスなど、素晴らしい光の芸術であるステンドグラスの光について取り上げてきた。世界的に、ステンドグラスの歴史はどう紡がれてきたのかについてふれてみたい。

ステンドグラスはエ字型の断面を持つ鉛のリムを用いて着色ガラスの小片を結合し、絵や模様を表現したものである。教会などの建築に多く用いられており、透過光による美しい造形は見るものに感動を与えてくれる。

フランスの文献によると5世紀には既にステンドグラスが作られていたとされている。それによるとある作家がリヨンにある教会のステンドグラスを見て、「まるで春の花でいっぱいの草原のように光輝いている」と記してあるそうだ。ステンドグラスの歴史は実に1500年にもわたっているのだ。

現存する世界で最も古いステンドグラスは、ドイツのロルシュ修道院の発掘で出土したキリストの頭部と思われるガラス片で9世紀のものと推定されている。原型を見ることができるものは、ドイツのアウクスブルグ大聖堂に存在している「四人の預言者」で、デザインもシンプルで素朴な印象を受ける。

その後ステンドグラスは主にフランスにおいて発展していく。

photo by noriaki eto