化粧の歴史 – 江戸時代~明治時代



江戸時代の化粧は、白、黒、赤の3色によるものだった。

白は白粉、黒はお歯黒、そして赤は頬紅と口紅の色である。江戸時代、頬紅は病気で顔色が悪いときにする化粧とされていた。

口紅は紅花から作り、良質の紅は「笹紅」(ささべに)と呼ばれ下唇に塗っていた。笹紅は高価なもので、厚く塗ると金緑色から金紫色に変化して玉虫色に輝くため、女性達の憧れの紅だったという。

明治時代に入ると、装いの近代化が起き、お歯黒や眉そりが禁止されて化粧にも変化が起きた。

江戸時代までは白粉で濃淡をつけて肌を表現していたが、欧米の文化の影響を受けて色付きの白粉により素肌を活かすメークへと変化していった。白粉化粧の様式的な美から健康的な美への意識改革が起こったのだ。頬紅は顔の美しさを引き立たせるものとなり、化粧も血色や艶を意識した自然な仕上がりを求めるようになっていった。

photo by 江戸ガイド