SDGsと照明 – これからの照明

SDGsが目標とする「誰一人取り残さない」社会の実現—その実現に即してこれからの社会において照明について考えてみたい。

グローバルな視点からみる

・世界の無電化地域への電力供給を進め、照明のある生活を実現していく。それによってその地域の経済的、健康的、教育的な問題を改善し豊かな生活ができるようにする。
・世界中の人々が電球を省エネ型に変えることを推奨していく。全て省エネ型にすると毎年1200億米ドルが節約できることになるという。

日本に焦点をあててみる

●高齢化社会に応じた照明
高齢者が視認しやすい照明、目にやさしい照明、輝度の少ない照明など高齢者にやさしい光環境を。社会で就労する高齢者が増え、就業空間の光環境も高齢者を配慮したものに。また、公共施設なども年齢問わず全ての人にとって快適な光環境となるような「ユニバーサルライト」の照明計画を行う。

●サーカディアンリズムを考慮した照明
日本人の睡眠時間は年々減少しており、2016年の調査結果では世界で最も少なくなっている。(米ミシガン大学・100か国の睡眠時間の調査結果)

日本人の睡眠不足の原因は様々あるがその弊害は多岐にわたり改善する必要がある。まずは体内時計を整えることを意識した生活をすることが大切で光を効果的に利用して生活することを推奨し、照明計画に取り入れていく。
体内時計のリズムを整えることは人間の生活の基本として重要であり、照明を全般的に効果的に計画し利用していく。

●リラックスでき、憩える光環境の創造
人口知能の発達などによってさらに効率的になる社会生活において、便利さを得ると共にストレスにもさらされることが予想される。これからは人間の心身の健康を維持するために、よりリラックスできる憩える空間がより強く求められるようになっていくだろう。事務所における休養スペースの光環境づくり、自宅での休養に相応しい光環境づくりを計画していく。

●目的に応じた照明
より調節力の高い照明器具を用いて、光の効果を利用した行動目的に応じたきめ細かな照明計画を行う。例えば就労中には作業場面によってその作業能率をアップするのに効果的な色温度や明るさの光を選び調光調色をする。調光調色が自由に調節できるようになったLEDやOLEDを使ってきめ細かな照明計画を行う。

●人間のコミュニケーションを図る照明
光がある所には自然と人が集う。これからさらに希薄になっていくだろう生身の人間のコミュニケーションを照明の光で活発で有意義なものとなるように計画していく。人が集うことを目的とした明るく、快適な光環境づくりがより求められていくだろう。

●多機能照明
ただ物を見るためだけの照明から、様々な機能が供えられた照明器具が開発され、実用化が進んでいる。また、スマートフォンなどからの照明調節機能も可能となり照明の機能は多様化し進化し続けている。光の与える影響を正しく踏まえたうえで新しい光環境を進化した照明器具で構築し提案していくことがこれからの照明計画には必要と考える。

上記の他にもSDGsが目標としている持続可能な17の開発目標に関連して照明が働きかけることができる事は多々あるため、その働きかけを実行し続けてゆくことが大切である。
これからの照明は変化していく社会のニーズに応じながら、人間にとって健康的で効率的な照明を計画提供することで、より豊かな生活を実現しひいてはSDGsの開発目標に貢献することができると考える。