ハロウィンの光


ここ数年ですっかり日本に定着した文化といえばハロウィンではないだろうか。
今では仮装や「トリックオアトリート」という呼びかけが主であるが、元々はヨーロッパの古い習慣に由来している。かつてキリスト教徒達は、死者の日(万霊節)に村々を歩き、亡くなった親類の霊が天国へ行けるよう祈る代わりにケーキを乞うたそうである。

ハロウィンのシンボル・カボチャを顔型にくり抜きロウソクを入れた「ジャックランタン」は欧米ではハロウィンを祝う家庭の玄関先に悪霊避けの意味を以て必ず置かれる。一見不気味なこのランタンは、アイルランド・スコットランドに伝わる鬼火のような存在で「ランタン持ちの男」の意味を持つ。生前に堕落した人生を送ったまま死んだ者の魂が死者の国に入れずに彷徨っている姿であり、悪魔からもらった石炭を火種にし、萎びて転がっていたカブをくりぬいたランタンを片手に持っているという。アメリカでアイルランド移民によりこの伝承が伝えられ、カブはアメリカで生産の多いカボチャになったという。