「太陽も月も自分を疑ったとしたらその瞬間に光を失うだろう」

ウィリアム・ブレイク(1757年~1827年)はイギリスの詩人、画家、銅版画職人。その作品は、難解な表現をすることでシンプルな表現を隠すという独特の表現技法を有している。

幼い頃から絵の才能を示し、12歳ごろから詩の創作を行っていた。
また、幻視能力があるとされ、「幻視者」の異名を持つ。そのため作品には宗教的な感情と共に幻想的な思索が含まれているのが大きな特徴となっている。

太陽も月も自分を疑ったとしたらその瞬間に光を失うだろう

――もし自分を疑い、自信を持てなくなったとしたら、恒久的に光輝く太陽や月、それらでさえもその輝きを失ってしまい、光のない闇に包まれてしまうことになるだろう――

心から自分を信じることができなければ、何かを達成することは難しく、自分の存在理由さえも見失ってしまうことになるだろう。そして自らの輝きも失ってしまう。

輝きを持った人は、みな自信に溢れている。人は自分を信じる力があってこそ自分の目標に向かって力強く進んでいくことができる。そしてその目標に向かっていく姿は誰の目にも光輝いて映り、その光は周りまで明るく照らす光となるだろう。

ブレイクは生きている間、その作品は認められず、貧困のうちにその生涯を終えた。しかし、評価されずとも彼は自分の宗教的な感情や深い瞑想を詩や絵画など自分の作品に表現し続けた。きっと彼の中には、いつも自分に対する自信があり、ゆるぎない信念を持って内なる原動力を作品に投影していったのだと思う。

彼の没後、その作品は世界的に非常に高く評価されており、イギリスのみならず世界中に彼の研究者が多数存在している。日本では大江健三郎の一方ならぬ傾倒が有名である。
そして現代でも多くの思想家、芸術家、SF作家、アーティスト達にインスピレーションを与え続けている。

ウィリアム・ブレイクの魂を込めた作品は、時代を超えてこれからもずっと人々に影響を与え続け、光輝いていくことだろう。