光と精神 (7)

光と精神7―太陽光2 効用

太陽の光は人間のサーカディアンリズムを整え、体調を良好にするだけでなく、精神的にも影響を与えてストレスに効果的に働くことが分かっている。
以下のような太陽光が人間に与える影響についてのアメリカの研究結果が出ている。

―病院では―
太陽光を十分に取り入れられて自然の眺望が得られる病室とそうでない病室では、手術後の患者の退院までの日数の長さや、鎮痛剤の投与量に明らかな差が出る。

―学校では―
窓のない教室と太陽光が十分入る窓のある教室では、生徒のテストの成績や出席率に差が出る。

―オフィスでは―
オフィスに於いて効率よく仕事を行う上で、太陽光を取り入れることは非常に重要な要素であることが研究で示されている。
窓の無い環境の労働者は、ストレスを感じて身体活動と活力に影響が出てしまい、生産性が落ちてしまう。また、窓がなく太陽光が入らない職場の労働者は、窓のある職場の労働者に比べて1晩の平均睡眠時間が短いという結果が出、睡眠の質の低下を生んでしまうことが分かっている。

以上の事柄は、太陽光がサーカディアンリズムを整えることにより健康的な生活の基礎が整えられると共に、太陽光の入る窓から見える景色や光が、人間に開放感や自然の移ろいを感じさせて快い快適性を生み、ストレスを減少させるからと考えられている。

―地球上の生命の営みや気候に大きな影響を与え、万物を育む太陽の光―
太陽光の恩恵について思いを巡らせながら自分自身にとっての健康と太陽光の関係に焦点を合わせ、どう太陽光と付き合ってゆけば良いのかということを見つめなおしてみてはいかがであろうか。

photo by OiMax