SDGsと照明7 – 省エネ・エコ

SDGsでは、目標12に「持続可能な生産消費形態を確保する」として「責任ある消費と生産の大切さ」を訴えている。
世界人口が2050年までに96億人に達するとすると現在のライフスタイルを維持するためにはほぼ3つの惑星が必要となり、現在の消費と生産のパターンを変える必要性があるとしている。その為には省エネを図り、地球にやさしいエコについても配慮していく必要がある。

一般の家庭での照明の消費電力は全体の13%である。(平成23年環境省)一般的なビルにおいては全体の消費電力の24~33%、学校においては65%が照明による消費電力である。環境汚染の指針となるCO2排出量は消費電力に比例するため、消費電力の削減を行えばCO2の削減にもなる。
具体的には、蛍光灯や白熱電球などの照明器具をLEDやOLEDに変えることで大きな節電が実現できる。世界的には世界中の人々が電球を省エネ型に変えれば、毎年1200億米ドルが節約できることになると言われている。

また、有害物質としての水銀も地球環境を汚染するとして問題になっている。日本における水銀需要についてみるとその38%を照明が占めている。

水銀汚染に対しては2013年に約140か国・地域が参加した会議で「水銀に関する水俣条約」が全会一致で採択された。内容は人体に対して極めて有害な水銀を含んだ製品の一部製造を2021年以降禁止としたり、製品の水銀封入量を規制したりしている。
現在、蛍光灯、直管蛍光ランプ、コンパクト蛍光ランプ、高圧水銀ランプなどには水銀が使われており、特別な廃棄処理が必要となっている。

高効率のLEDやOLED(有機EL)は、省エネであり、かつ水銀を含まないためこれからの持続可能な社会での照明器具として最適と言える。現在使用中の蛍光灯などの照明器具を順次LED照明器具に変更してゆくことで、大きな省エネ効果とエコ効果を得ることが望まれる。
また、さらに人感センサーや調光機能システムを利用することで、照明の使用時間を減らすことができ、賢く節電・コスト削減を図りたい。

SDGsが掲げる持続可能な社会と環境をづくりを実現し、より良い世界へと導くためには、照明の影響は大きく、その使命も重いものだと言えるだろう。