「為すべきことは熱を与えることではなく、光を与えることなのだ」


ジョージ・バーナード・ショー(1856-1950)は、19世紀末から20世紀前半に活躍したイギリスの文学者、脚本家、評論家、政治家、教育家、ジャーナリスト。
アイルランドに生まれ、94歳で没するまで53本もの戯曲を残した。1925年に「他に類を見ない風刺に満ち、理想性と人間性を描いた作品を送り出した」としてノーベル文学賞を受賞している。

ダブリンで下級貴族の穀物商人の子として生まれ、 貧困のため小学校を卒業後は学校に行けず、独学し、20歳でロンドンに出て演劇や音楽などの評論に携わった後、1892年『やもめの家』で劇作家としてデビューした。辛辣な風刺と機知に富んだ表現でその後劇作家として活躍し、イギリス近代劇の創始者と称された。
作品には「シーザーとクレオパトラ」や「人と超人」などがある。作品の多くは、「詩人や神秘家」と「社会を支配する実際家たち」との関係が最も重要なテーマになっている。

ショーは人間が哲学や詩や演劇を生み出す「知的・創造的な情熱」を「古典的なるもの」と呼んで、その持ち主を劇の主人公にしてきた。しかし社会改革にも情熱を持っていたため、実際主義的行動力のある人間にも注目し、劇作中に登場させている。そして作品の中にある奇抜な皮肉と辛らつな批判とを社会のあらゆる因習に向けて浴びせかけた。
採食主義を貫き健康であったが梯子から落ちたことが原因で94歳でその生涯を閉じた。

為すべきことは熱を与えることではなく、光を与えることなのだ。

―人に対してするべきことは、情熱を与えることではなく、希望や夢や目的である光を与えることなのだ―

人生を歩む過程で、持ち続けたい生きていく情熱。しかし情熱はそれを燃やすことができる希望や夢があってこそ持つことができるものである。大切なことは、単に情熱だけを与えようとすることではなく、情熱を持つ原動力になるべき光こそが与えられるべきものである。

ショーはまたこうも言っている。「人生とは自分を創ることである。」「自分が心から偉大な目標だと思うものに身を捧げることである。」

人生において大切なもの、それが生きていく目的にもなる「光」であり、人はその光があってこそ情熱を持って真に豊かな人生を創造することができる。
彼のこの格言は、力強く自分の人生を歩んで真の喜びを得るための熱いメッセージになっているのではないだろうか。