光と陰の世界で生まれ変わるもの5─シャンパン「シャンパンの楽しみ方」

華やかに演出したい場面に好まれるシャンパンだが、何かを始める場面でのお祝いに利用するのもシャンパンが通例となっている。

船の進水式では洗礼の意味でシャンパンを船体ぶつけて船を清めることが一般的となっている。コンコルドの初飛行や英仏海峡トンネルがつながった時もお祝いにシャンパンが使われた。

シャンパンファイトと言って表彰式や祝勝会などで優勝した選手や優勝したチームがシャンパンをかけあって喜びを表現する行為もあり、多くの人が目にすることがあるだろう。F1レースの表彰式では毎回、優勝者の喜びにあふれた華やかなシャンパンシャワーの風景が見られる。

また、シャンパンタワーというシャンパングラスを積み上げてシャンパンが上から流れ落ちるのを楽しむイベントがある。もともとはシャンパンシャワーはフランスの貴族の楽しみの一つであった。

グラスを一つ一つ積み上げるのは「一歩一歩人生を歩む」という意味が込められ、高く積み上げる形には、「天に感謝する」という意味があり、グラス一杯にシャンパンを注ぐことは「幸せが満ち溢れるように」との願いが込められていると言われている。

またシャンパンシャワーに意味づけがされた「シャンパンタワーの法則」という言葉がある。
一番上のグラスが自分、二番目のグラスが家族、三番目のグラスがスタッフや知人、友人
四番目のグラスがお客様や取引先、五番目のグラスが他人、社会と見立てて、全てを満たすにはまず自分自身を満たさなければならずそれからさらに沢山の人を幸せで満たそうという意味がシャンパンシャワーに込められているという。単なるイベントとして見るだけでなく、自分の生き方を示唆するものとして見ると流れ落ちるシャンパンに時の流れを感じてより美しさを感じ、グラスに満たされたシャンパンには心までもが満たされるような気持ちになってくる。

シャンパンを飲むことを楽しむためには、いくつかのポイントがある。
シャンパンは中の炭酸ガスの湧出を抑えるにはよく冷やすと良く、甘口は4℃、辛口は6~8℃が適温とされる。
また、シャンパンを注ぐ時は、抜栓をした後、瓶内の泡を落ち着かせてから静かに2~3回に分けて注ぎ、グラス6分目まで注ぐのが良いとされている。
世界中の人々が生活を楽しむお酒としてシャンパンは広く愛されている。それにはシャンパーニュ地方の人々の長い間の努力があり、現在のように高い評価がされるお酒としてシャンパンの価値が定着したと言える。価格的には幅広く設定されているため、様々な場面に応じて最適なシャンパンを選んで心ゆくまで楽しんでゆきたいものである。