光と陰の世界で生まれ変わるもの6─シャンパン「シャンパンの種類」

シャンパンの種類は味によるもの、色によるもの、グレードによるもの、醸造者によるものに分類される。

味による分類は辛口から甘口まで6段階に分けられている。シャンパンの味を調整する工程で使用される「リキュール・デグスペディション」(同じタイプのシャンパン原酒に蔗糖などを混ぜた甘いリキュール)の量により味が決まる。

色は白とピンクの2種類となる。

グレードによる分類は使用するぶどうによって決まる。良いぶどうを使用するとグレードが高くなり、味もグレードに比例して美味しくなる。

・プレスティージュ(最高級)
5年~7年の熟成が必要でそれ以上も多数。各メゾンの伝統と個性を表すシャンパンで時間や費用も大胆に使って造られる最高級ランクのシャンパン
・ヴィンテージ (高級)
・単一年に収穫されたブドウのみを使って造られるシャンパン でその年のブドウの個 性が出る。しかし品質がその年のぶどうの出来具合に左右されるため製造が難しい。
3年以上の熟成が必要でそれ以上が多数。
・ノンヴィンテージ(スタンダード)
・ノン・ヴィンテージとは、特定の収穫年にこだわっていないシャンパンで複数年のぶどうから造られるワインをブレンドして造られる
価格が手頃なものが多い

生産者の形態による分類は大手メーカーから小規模メーカーまで異なる製造形態があり、シャンパンの質や個性に違いが出るため品質の重要なポイントの一つである。

栽培農家からぶどうを買い付けているメーカー、共同組合で生産・販売を行い組合の銘柄で製造するメーカー、自家栽培のぶどうを中心に醸造している小規模生産者などがあり、それぞれ製法に違いがある。
シャンパンの生産者は約5000軒ほどあり、その内の約300軒がぶどうをぶどう農家から買い付けて造る生産者で大手生産者に該当する。一方で、その他の4000軒を超える生産者は、自社でぶどうを栽培してそのぶどうを使ってシャンパン造りをするタイプで小規模生産者に該当する。シャンパン生産者は、大手生産者よりも小規模生産者の方が圧倒的に多いのである。

瓶の大きさによる分類
シャンパンの瓶は多様な種類があり、容量別に14~20種類もある。また、瓶は瓶内の気圧に耐える必要があり、ワインなどに比べて重く、厚いのが特徴で一般的にハーフと呼ばれる375mlの瓶は約1㎏あり、フルボトル750mlは約2kgある。

ちなみに世界で最も高価なシャンパンはグー・ド・ディアモンで約2億3千万円である。中身に高級な素材が使われていて非常にクリーミーな口当たりで軽い仕上がりになっている。そして何よりボトルが豪華な造りになっている。ボトルデザインは1000万円のスーツやダイヤモンドをあしらった高級携帯電話を販売するロンドンのデザイナー、アレクサンダー・エイモス氏が手掛けている。18Kのホワイトゴールドのラベルに19カラットのダイヤモンドが埋め込まれていてまさに光輝くシャンパンである。

世界中の人達に好まれているシャンパンは、多くの手間をかけながら厳しい基準を守って製造される「聖なるお酒」として進化してきた。そして現在、様々な場面で私達の生活を彩ってくれている。心が浮き立つような華やかさはシャンパンが醸し出す特別な雰囲気であり、これからも人々に愛されるお酒としてその存在感は揺るぐことなく変わらないことだろう。