目と光 (2)




目と光2-視力-

近年では、パソコンやスマホなどの液晶画面を見る時間が多くなり、目の疲れを訴える人が多く、視力低下が大きな問題になっている。

目はその場の明暗に応じて自律神経が働き、筋肉を使って瞳孔を縮めたり広げたりして、焦点を自動調節している。
明るいところでは瞳孔を縮め、暗い場所では瞳孔を広げている。
暗いところで本を近くにして読むという行為は、近くを見る際に目は瞳孔を縮め、暗いために瞳孔を広げるという行為を絶えず繰り返すことになり、長時間に及ぶと目が過労になり視力の低下につながる。
就寝前の暗い部屋でスマートフォンを見ることは、特に避けたいことである。

また日本人の目は、色素の濃い黒目であるため光を取り込みにくいという特徴がある。日本人の目は、暗いところでものを見る時に、光を集める機能が弱いために目を対象に近づける傾向があり、これが視力低下につながると言われている。

目の現代病としてVDT 症候群と呼ばれる病気がある。
パソコンなどのディスプレイ(VDT:ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル)を使った長時間の作業により、目や身体や心に影響のでる病気で、肩がこる、首から肩、腕が痛む、だるいなどの症状が起こり、慢性的になると、背中の痛み、手指のしびれなどいろいろな症状に進展しイライラ、不安感をまねいたり、抑うつ状態になったりする。

VDT 症候群に対しては厚生労働省が平成14年に「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を策定して作業環境管理、作業管理、健康管理などに関して細かく基準を定めている。

ディスプレイを見やすいようにグレアや反射を考慮した光環境にし、長時間に及ぶ作業では、休憩を挟んだりして目を労わることが重要であるとしている。

現代人にとってVDTは生活上必要不可欠なものとなっており、いかに自分の目を守りながら上手に利用していくかについて十分に配慮していくことが求められている。

photo by Sean McGrath