光のパブリックポリシー2 照明デザイナーの関連組織

日本における照明デザイナーに関連する組織や資格についてまとめる。まず日本の代表的な照明に関係する組織についてみる。

【照明学会】
日本の照明技術の発展や照明知識の発展に寄与してきた照明学会は1916年に創立された。そして照明学会は約1世紀にわたり、照明、視覚、光放射、オプトエレクトロニクス、建築と視環境、光とバイオニクス など、光に関するハード・ソフト・デザインの幅広い分野で研究・調査・情報交換・研究助成の活動を行ってきた。*1

1917年には照明学会誌が創刊され年6回会員向けに発刊されている。記事内容は研究論文、技術資料、解説、図書紹介、 照明のデータシート、お知らせなどであり、また国内外から投稿された論文を掲載する英文誌も発行している。

また、照明に関する広い分野の研究調査を行っている。8つの分科会、研究調査委員会、特別調査委員会などのグループにより各研究テーマについて研究、調査を行い、その成果を公表し広く社会に貢献している。*1

【日本国際照明デザイナーズ協会(IALD Japan)】
一般社団法人日本国際照明デザイナーズ協会(IALD Japan)は、米国を本部とする国際照明デザイナーズ協会(IALD)に加盟する日本の代表的な照明デザイナーの集団で、セミナーや研修会を通じて照明デザインの啓蒙や職能の研鑽を推し進めている。

日本国際照明デザイナーズ協会は、2014年に設立され、日本並びに国際社会とのコミュニケーションを促進し、照明デザイナーの地位の向上を図り、光のデザインを通じて社会と文化の発展に寄与することを目的としている。

ここで国際照明デザイナーズ協会(IALD=International Association of Lighting Designers)について述べる。

IALDは米国シカゴに本部を持つ世界最大のプロの照明デザイナーを中心とした職能集団である。1969年に設立された歴史ある組織で、北米、南米、欧州、オーストラリア、アジアを中心に、現在世界中に1400名ほどの会員が登録されている。職能としての照明デザイナーの有益性や社会的役割を啓蒙しつつ、学生や若い照明デザイナーの教育育成にも努めている。

日本国際照明デザイナーズ協会は、IALDと連携しつつ活動を行っている。*2

【日本ライティングコーディネート協会(JLCA)】
2006年に照明の基礎及びコーディネートについての様々な実践的な知識を習得し、照明を通じて社会に貢献できる人材の育成を目的として創設された。ライティングコーディネーターの認定を行い、照明について最新の情報を継続的に配信し、知識の維持向上を図っている。*3

【日本照明工業会(JIMA)】
2013年に日本電球工業会と日本照明器具工業会が合併し、日本照明工業会が設立された。

照明機器(光源類、照明器具類、制御装置類及びこれらの構成部品)の製造及びこれに関連する事業の健全な発展、産業の振興に国民生活における安全性の確保と生活文化の向上に寄与することを目的として、標準化、普及啓発、認定評定事業、国際活動を推進している。

また、2019年には日本照明委員会を吸収合併し、照明と光に関する調査研究など、「あかりの質向上」に関する活動の強化を図っている。*4

■引用文献
*1 https://www.ieij.or.jp/
*2  https://ialdjapan.jp/
*3  https://jlca.or.jp/
*4 https://www.jlma.or.jp/about/pdf/JLMA_panf.pdf