テレワークと光4

2020年2月にリクルート住まいカンパニーが発表した「テレワークX住まいの意識実態調査」によると公務員、会社員の17%がすでにテレワークを実施していると回答されており、28%が導入を考慮中、または興味を持っていると回答している。※1 この調査は2019年11月に実施されているため、新型コロナの感染の影響を受けている現在ではさらに導入実績は増加し、テレワークへの関心度は高くなっていると考えられる。

テレワークが普及してくるようになると住まいに求める条件が変化してくる。毎日決まった時間に通勤する形から通勤を必要としない、あるいは通勤する日が毎日ではなくなることで居住する場所に関する概念が変わり今までより多様な選択が可能となる。会社から離れた郊外や地方に住み、自然の中での生活を楽しむことも夢ではなくなっているのである。実際に新型コロナ感染の影響でテレワークを導入し、居住地を再考する人が増え、最近郊外の住宅への関心が増しているようである。

また、自宅でテレワークを実施することにより自宅に集中して仕事ができる空間と設備が求められるようになっている。もともと住宅は生活の場、憩いの場として計画されているため、執務環境として使用するには環境を整備する必要が生まれてくる。

「テレワークX住まいの意識実態調査」によると「テレワークをきっかけに自宅を仕事に適した環境に整えている」は70%となっている。そしてテレワーク実施者のうち「仕事の資料、PCなどの置き場、収納スペースをつくった」は28%、「部屋の一角に仕事用のスペースを作った」は23%、「照明などの設備を替えた」は13%となっている。

自宅でテレワークを行う場合、リビングダイニングで行う人が39%と最多となっている。リビングや ダイニングの照明は天井に設置したシーリングライトの場合が多く、色温度も低くテレワークを行う光環境としてはあまりふさわしい環境となっていないのではないだろうか。

快適で生産効率を上げるために必要な環境はどんなことに注意すればよいのか、次回ではテレワークの環境整備について取り上げる。
 
 
※1 「テレワーク×住まいの意識・実態」調査を発表. リクルート住まいカンパニー. https://www.recruit-sumai.co.jp/press/2020/02/70.html