テレワークと光9

テレワークをきっかけとしてこれからはアフターコロナを見据えて人間の活動拠点としての住宅、建築空間の健康的で快適な環境づくりに対して関心はますます高くなっていくことだろう。WELL認証機関IWBI(International WELL Building Institute)でもアフターコロナに何が出来るか、何をするべきかを検討し始めているという。※1新型コロナの出現で建築の環境に求められる条件は再構築されてきており、その中で照明業界の果たす役割は重要な要素となっていると考える。

新型コロナの影響で本来人間が基本とする生のコミュニケーションが、ウェブを利用したコミュニケーションにより行われるようになっている。この動きはアフターコロナでも続き、これからは居住都市を中心としたデジタル社会が発展していくと考えられる。照明器具のデジタライゼーションの動きもますます活発化することだろう。

東日本大震災の後には、省エネの動きが活発化した。その動きが、現在のLEDを利用した省エネ効率の高い照明デザインにまで繋がっている。

アフターコロナでは、居住空間のさらなる衛生環境の改善や、住まいの立地・間取り・広さへの要求の変化などが予測され、照明デザイナーも、従来の価値観に基づいたデザイン計画から新しい価値観に対応した照明デザインの構築を行うために力を注ぐ必要があると考える。そして、照明デザイナーは真に健康的で快適で効率的な人間の生活に相応しい光環境についての啓蒙と実現に努めてゆくことが今まさに求められているのではないだろうか。

*1 IWBIが新型コロナ対応:https://www.kensetsunews.com/archives/439712