「暗いと不平を言うよりも、あなたが進んで明かりをつけなさい。」

マザー・テレサ(1910~1997年)はカトリック教会の修道女であり、修道会「神の愛の宣教者会」の創立者。貧しい人々を助けるために尽力したマザー・テレサはその活動が高く評価されており、亡くなってもなお多くの人の心を動かす聖人として広く知られている。1979年には、ノーベル平和賞を受けている。

マザー・テレサは、マケドニアで実業家の父のもとに生まれた。幼少時から聡明で、18歳に修道女となる。その後19歳から37歳までインドのカトリック系女子高校で地理と歴史を教える。38歳の時に、神の啓示を受けたとされ、修道院を離れてスラム街に入り、多くの献身的な愛による活動を行う。
40歳の時に「神の愛の宣教者会」という「もっとも貧しい人々のために働くこと」を使命とした会を創立する。以降、ホスピスや児童養護施設を開設していき、テレサの活動は全世界的に広がっていった。本人は質素な生活をし、路上生活者やごみ捨て場に捨てられた幼児を施設に収容するといった活動を続け、宗派を問わずに全ての貧しい人のために働いた。晩年は心臓病を患ったりマラリアに罹患したりし、87歳でこの世を去った。

暗いと不平を言うよりも、あなたが進んで明かりをつけなさい。

この格言は、物事に対して不平不満を言う前に、自らが希望や目標となって現状を変えていくことが大切であるということを述べている。自分の置かれた環境の悪さに不平を言うのではなく、自分から進んで行動し、その環境をより良いものとする光を与えられるようにしなさい――と語りかけられたこの格言に含まれた想いは、まさにテレサが長い人生を通して実践した行為そのものに反映されていると言えるだろう。

マザーテレサの人生は「飢えた人、家のない人、体の不自由な人、病気の人、必要とされていない全ての人、愛されていない人、誰からも世話されない人のために働く」ことであった。そして困っている人達に必要な施設を作り、愛をもって全ての人々のために働いた。
テレサの深い愛と強い意志と実行力による数々の功績は、この格言にある強い志があってこそ成しえたものではないだろうか。