「我々が自らの内にある光を輝かせるとき、無意識のうちに他の人々を輝かせることが出来るのだ。」

ネルソン・マンデラ(1918~2013年)は南アフリカ共和国の政治家、弁護士。ノーベル平和賞受賞者。南アフリカの黒人解放運動指導者として世界に大きな影響を与えた。

マンデラは1918年、南アフリカ連邦トランスカイの村の首長の子として生まれた。少年時代には、首長から、部族社会の反英闘争の歴史や、部族の首長が持つべきリーダーシップや寛容の精神などについて学んで育った。

大学在学中に、アフリカ民族会議(ANC)に入党し白人至上主義の差別政策であるアパルトヘイトの反対運動に取り組み始める。1952年には弁護士事務所を開業した。
1961年に軍事組織を作り司令官に就任したが、それらの活動により国家反逆罪終身刑となり、ロベン島に27年間収監されてしまう。収監中にもマンデラは勉学を続け、法学士号を取得したりアフリカーンス語を習得したりしていた。

その後マンデラはANCの反アパルトヘイト活動の象徴的な存在とみなされるようになり、マンデラの釈放が世界的に求められるようになっていった。マンデラは南アフリカの黒人の真のリーダーとして世界的運動の顔となったのだ。

1990年、マンデラは釈放され、翌年ANC議長に就任。1993年には、マンデラはノーベル平和賞を受賞。1994年マンデラは大統領に就任し、国民統合の象徴として自らを位置づけた。政策としては、民族和解・協調を呼びかけ、アパルトヘイト体制下での白人・黒人間の対立の解消、経済不況からの回復として復興開発計画などを実施した。
1999年には政治の世界から引退し、その後ユネスコ親善大使に就任した。2013年、自宅で95年の生涯を閉じた。

我々が自らの内にある光を輝かせるとき、無意識のうちに他の人々を輝かせることが出来るのだ

—自分の中にある情熱や信念などを輝かせることは、自然と周りの人々に計り知れない大きな影響を与えて彼らをも輝かせることが出来る力になる―

この格言は彼が自分の獄中の経験から実感を伴って語った言葉であろう。

マンデラは実際的な考え方ができ、溢れる熱意を持っていたため、獄中にあってもアフリカ民族会議に対立するイデオロギーを持つ人達の中から活動家を見出し、彼の考えを伝えていた。そんなマンデラの影響を受けた人達がロベン島から解放されてから、マンデラの考えを外の人達に広めていきそれが広く世界的なマンデラ解放運動へと繋がっていった。

自らの持つ情熱や信念などを実践することは自分の計り知れない力を伸ばし、可能性を広げると共に、他の人々にも自然と影響を与え、彼らの持つ力をも発展させることができるということを彼は強く言いたかったのだろう。

私達も自分の中にあるものを自ら輝かせることで周りの人々をも輝かせていきたいものである。