カフェの照明2―日本のカフェ

日本のカフェの歴史をみてみると、日本初のカフェは1888年上野に開店した「可否茶館」で、コーヒーを飲みながらビリヤードや将棋、国内外の新聞、雑誌を楽しむことができる店だったと言われている。その後、1911年に開業した「カフェ・パウリスタ」は各地に店舗を広げて日本最初のカフェのチェーン店となった。

1970年代にはコーヒー専門店が生まれ、 1980年代からはセルフカフェが主流になった。2000年ごろからは様々なチェーン店が生まれ現在に続くカフェブームとなる。 

2021年にカフェを利用している人を調査した結果では、普段カフェを一ヶ月に一回以上利用する人は、約50%である。コロナ禍で利用者が減少したとはいえ、カフェを様々な用途で約半数の人が利用している現状であることが分かる。

利用する場面としては、休憩したい時37%、気分転換の時が22%、会話する時が20%。
利用時間帯は14時から16時台が最も多く60%となっている。
利用時の重視点は、複数回答で、コーヒーの味、品質、55.0%、店の雰囲気 31.0%、居心地の良さ 店内の入りやすさ、価格、アクセスの良さが各30%台となっている。*1

好まれる店の雰囲気としては、落ち着いている、長居しやすいなどが挙げられる。 
居心地の良さでは、席の配置や間隔がゆったりしているなどが挙げられ、ゆっくり落ち着いて過ごせる空間を居心地の良さとしている人が多い。

また、2021年の「カフェを利用して得られる気持ちについて」の調査結果によると、気分転換になる、落ち着く、ストレス解消になる、幸せな気持ちになる、などが挙げられ、人それぞれにカフェの効用を感じていることが分かる。*2

カフェの最大の魅力は、日常から離れた居心地の良い空間で、美味しいコーヒーや食事を取りながら精神的に豊かな自分だけの時間を楽しむひとときを過ごすことが気軽にできることであろう。

その際に重視されるのは、お店の雰囲気である。良い雰囲気づくりには店内のインテリアや接客の態度など様々な要素があるが、照明による雰囲気づくりへの影響は大きく、お店のコンセプトに適した効果的な照明計画が求められる。
次回には、カフェの照明について取り上げる。

■参考文献
*1 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001040.000007815.html
*2 https://www.cross-m.co.jp/news/release/20211110/