太陽の花「ひまわり」

夏に咲く明るい太陽のように華やかな花─ひまわり。元気いっぱいに咲いているひまわりの花は夏の風物詩とも言える。
原産国のアメリカではひまわりを「Sunflower」と呼んでおり、「太陽の花」として愛されている花である。今回はひまわりについてみてみたい。
ひまわりは日本語では「向日葵」と書き、太陽の光を追いかけるように花の向きを変えることが名前の由来となっている。ではどうしてひまわりの花は光の方へ向いて動くのだろうか。ひまわりには光合成のために茎などが太陽光線の強い方へ向かって屈曲する「向日性」という性質があるからである。

向日性とは、どんな仕組みかをみてみよう。
植物の若い草に横から光をあてると、光のあたらない反対側の部分に成長するもとになるホルモンが集まってくる。そして、そこが光の当たった部分よりも多く成長を始めるため、植物の茎は光の方へ曲がるようになる。このような性質を向日性と言う。
成長期のひまわりは向日性により、効率よく太陽の光を浴びて葉が栄養分を作っている。しかしこのひまわりの花が向日性によって動く現象は、茎が成長を続ける花のつぼみの頃までで、花が開花すると茎の成長も止まり、光に向かう運動は見られなくなる。他にも向日性の植物はあるが、ひまわりの花の動きが最も目立つので、ひまわりが光を追って咲く花として知られるようになっている。

ひまわりの原産国は北アメリカで、紀元前からインディアンの食用作物とされていた。15世紀にスペインに伝わり、17世紀にフランス、ロシア、日本にも伝わった。ひまわりは神話にも登場し、多くの映画、絵画、音楽のテーマとしても取り上げられ、人々に長く愛されてきた。

ひまわり畑では沢山のひまわりが黄色い花を咲かせて並んでいる。その光景はまるで、小さな太陽が並んで輝いているようにも見える。
今年の夏も黄色い太陽のようなひまわりの元気な姿を見て、夏の暑さに負けないパワーをもらい、元気に過ごしたいものである。