飛んで火にいる夏の虫

夏になるとどこからともなくやってくる、キャンプや花火など楽しい夏のレジャーには必ずと言っていいほどついて回るものが虫。
特に暗い中で灯りを点けていると沢山の虫が寄ってくる様子は夏の風物詩とも言える。
飛んで火にいる夏の虫という言葉は、そんな虫の習性に由来することわざである。
なぜ虫は光に寄って来るのだろうか。

羽を持つ虫の多くには、「走光性」という習性がある。
これは、月の光や太陽の光などに対して一定の角度を保ちながら移動する習性の事で、これにより自分が飛んでいる高さや方向を認識していると考えられている。

害虫を駆除する際に用いる「誘蛾灯」というものもあり、これは虫の走光性を利用している。光に向かってくる性質(特定の種類の蛾など)を正の走光性、光から逃げる性質(ミミズなど)を負の走光性と言い、誘蛾灯は正の走光性を利用している。

人間の可視光線と虫の認識できる光は異なり、虫の多くは人間が感知できない紫外線に非常に敏感であると言われている。
走光性を持つ虫の中には、その明るさに反応しているタイプと、紫外線に反応しているタイプがある。
蛍光灯や水銀灯は明るく光る際同時に紫外線も放出しているため、その紫外線を感知する虫たちが寄ってくる。
一方LEDライトの多くは紫外線を発さないため、紫外線に反応して集まってくる虫を大幅に減らすことが出来ると言われている。

去年度叶わなかった夏のレジャーへの期待が高まる2021年夏。
少しでも快適な夏の夜を楽しむために、持ち込む灯りにこだわってみるのはいかがだろうか。