海の赤色

1月―。元旦には家族親戚が集い、おせち料理を囲みながら正月を祝う人が多いのではないだろうか。今回は、おめでたいときなどに食べる魚の“鯛”と光の関係をご紹介する。

鯛のうろこは一般的に赤色と認識されているだろう。他にも、タコやアカハタなど、海には赤色の魚が数多く生息している。青い海で赤色をしていると目立ってしまうのではないかと思うが、全く逆で目立たない色なのだ。それは、海と太陽光に秘密がある。
太陽光は、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の7色の光が集まって白色の光に見えている。可視光と呼ばれるそれらの光は色によって光の波長が異なり、最も長い波長が赤色の光、最も短い波長が青色の光となっている。海が青く見えるのは、波長の違いによって海に光が吸収される深さが異なり、赤色の光が1番早く吸収され青色の光が最後に吸収されるからだ。以下は吸収される水深である。
水深約10m 赤
水深約50m 黄
水深約100m 紫
水深約200m青
そして、鯛は夏季に水深10〜50mの、ちょうど赤色が吸収される場所に生息している。赤色が吸収された深さでは赤色は発色されず、黒く見えるのだ。よって赤色の魚が目立つことはない。

色は光があるから私たちの目に見えていて、また光の存在は色によって感じることができる。これは赤色だ!と思っている色を光や環境を変えて見てみると、新しい色に出会えるかもしれない。

参考文献 https://deep-sea-creatures.com/akai1