戸外の光と画家

4月、春の日差しを感じられる季節となった。明るい日差しは気持ちも明るくしてくれるが、そんな日光と関係している西洋絵画の「外光派」をご存知だろうか。

19世紀中頃まで、風景画は屋外にて画材モチーフとなる風景を取材し、画室に持ち帰って仕上げることが普通であった。このことが原因か、固定概念による色彩で塗られた絵画は全般的に茶褐色系を多く使用した暗い画面に仕上がっていたと考えられている。
そこで生まれたのが「外光派」である。
「外光派」…美術用語の一つ。印象派(印象主義)の画家たちが主にこれに該当する。広義的には自然光による色彩表現を目指し、戸外写生を行う画家全般を指している。
外光派の画家として挙げられるのは、印象派として有名なイギリスの画家、ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(1775~1851年)、ジョン・コンスタブル(1776~1837年)の2人だ。ターナーは、自然風景を光に包まれたような独特なタッチで描き、自然の繊細さ、力強さを感じさせる風景画が多い。コンスタブルは、戸外の光の下で描き上げることで、風景の変化を明るい色彩で表現しており、さまざまな表情をもった風景画を残している。自然を「あらゆる創造力がそこから湧き出る源泉」と捉え、大型の絵画もほぼ戸外で細部まで描くことを試みた。
2人の画家に共通してみられる明るく柔らかい色彩は多くの画家に影響を与え、外光派の先駆的存在であったと言える。
19世紀に生きた画家たちが証明したように、日光には色を鮮やかに魅せてくれる力がある。パソコンやスマートフォンの液晶画面から目を離し、戸外の光による鮮やかな色彩を感じると新しいインスピレーションを得られるかもしれない。

 
参考文献:
Wiki https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%96%E5%85%89%E6%B4%BE
コンスタブル展HP https://mimt.jp/constable/highlight.html?top1