【アワーシリーズ】ライトブルーアワー

春の空はなぜ夏の空と比べるとより彩度が低く水色がかっているのだろうか。
それは、地軸の傾きが生み出す太陽光の入射角度に影響されている。

また、水蒸気によってかすんで見えることもある。スイスなどは水蒸気が少ないため、きれいな空が見えるという特徴がある。夏至が最も光度が高い。沖縄の空が真っ青なことも同じ理由なのだ。

また、春は冬と比べて高気圧に覆われることが多くなる。
高気圧に覆われることでちりやほこりがとじこめられ、太陽の光が散乱されることで少しかすんだ青空となるのだ。春は冬のあとで、植物はさほど生えていない。そのため大気を白っぽく見せる原因となるちりや水滴が増え、どこか青色が白んで見えるのだ。また、中国より飛来する黄砂もその原因の一つとなる。

産業革命が起こったことで大気汚染が進む以前、江戸時代の空はどのような色だったのだろうか。中国・北京では黄砂や排気ガスなどによるPM2.5の影響で空気がよどみ空はどこかグレー色の日が多くなる傾向にある。しかし、パレードや記念式典の際は国を挙げて大気汚染対策をすることで、空がきれいな青で染まる。2014年APECが行われた際は「APECブルー」と呼ばれるほど、政府の綿密な対策により青い空を取り戻したのであった。

気候だけでなく人の営みが大きく影響する大気の色。私達が子供の頃に当たり前だった空の色も、もしかしたら未来は同じではないかもしれない。夏へ近づくにつれ見え方の変わりゆく空の色にぜひ着目してみて頂きたい。