誰かを想う光


7月。旧暦でお盆にあたり(新暦では8月)、お墓参りをする日本人は多いのではないだろうか。
お盆に使われる盆提灯は、祖先や故人の霊が迷わず帰ってくる目印として迎え火、元の世界へ無事に戻ることを願う送り火 が灯される。また、故人の冥福を祈ったり、感謝の意を表すものでもある。その歴史は古く、西暦600年頃に催された盂蘭盆会(うらぼんえ)という風習が現在の形で引き継がれていると言われている。

また日本以外にも、世界中の祭事で光は使われている。
タイのチェンマイで行われるコムローイ祭り(11月開催)は、水の精霊に感謝をするためランタンを夜空にあげる祭りだ。有名なアニメ映画のモデルにもなり、世界的にも知られることとなったこの祭りは、夜空へ灯りが星になっていくかのようにゆらゆらと舞い上がっていく様子が幻想的だ。
インドで行われるディワリ、別名「光のお祭り」はヒンドゥー教のお正月のお祝い。(こちらも11月開催)女神ラクシュミを迎えるために街中にイルミネーションが飾られ、きれいに掃除された道や壁に砂で描かれた色鮮やかな模様「ランゴリ」が、祭りを彩る。家の中には繁栄と楽観の願いが込められたオイルランプ「ディヤ」が灯る。

故人への弔いや神様への感謝―。目に見えなくても誰かを想う気持ちは世界共通であり、光は人の想いを結ぶ象徴として世界を照らしている。

 
 
参考サイト1:https://www.tandem.net/ja/india-diwali-5-traditions
参考サイト2:http://yuwakai.org/dokokai2/takashimasan/20081016/20081016deiwali.html