透明感のある肌と光



化粧と光とは密接な関係にあり、その関係を知ることで光を上手に利用してより自分の顔を美しく見せることができる。今回は透明感のある化粧肌と光の関連について取り上げてみる。

くすみのない明るく透明感のある肌は肌表面と肌内部の両方で光をきれいに反射しているために美しく見えるという。光は肌でどのように反射するのだろうか。

肌に当たった光は肌表面で反射するがそれはごく微量でほとんどが肌内部に浸透する。そして肌の内部で散乱を繰り返しながら伝播し、一部が外部に反射する。
きめの粗いくすんだ肌は、表皮層内で光の進行を阻害し、光が奥まで届かず、内部反射光が少ない。
きめの細かいくすみのない肌は、光がより深い真皮層まで浸透して多くの光が顔全体から均一に外部に戻ってくるという。そして血色の良い艶と透明感のある顔として認識される。

内部反射を効果的に補い、顔色の良い透明感のある顔にするための化粧品が各メーカーにより開発されている。

あるメーカーでは、肌を美しく見せる赤色光を多く透過、反射させ、肌色をくすませる黄色光を吸収する特性を持つ「赤色パウダー」と肌表面で光を全方向に均一に反射する「白色パウダー」を組み合わせた化粧品を販売している。*

また、他のメーカーでは透明な顔料で色を調整できる干渉色というものをファンデーションに配合して自然な顔色を演出することができる製品を開発している。**

現代人が求めている「透明感がある内からにじみ出るような自然な艶のあるメイク」を実現するためには光の肌内部反射をできるだけ多くするよう、素肌づくりに気を配ると共に、効果的な化粧品を利用して光の効果を大いに利用したいものである。

*富士フィルム「アスタリスト」化粧品
**資生堂「立体感のある顔立ちをつくる高機能パール剤の開発」

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