デジタライゼーションと光─Li Fi(2)

LiFiはどのような場所で有効に利用できるのだろうか。

電波が機器に支障を与える可能性があるためにWiFiの使用ができなかった、病院、旅客機の機内や原子力発電所などでLiFiの導入が可能である。

・病院
院内にLi-Fiを導入することで、スマートフォンやタブレット端末で、院内どこでも電子カルテを見られるようにすることができる。ほかに、医療機器間のケーブルレス化によって機器の減菌処理の負担軽減や、信頼性向上、接触不良の改善なども期待できる。
また、廊下のLED照明から位置情報を発信することで、入院患者を電動車いすに乗せて診察室や検査室に自動誘導したり、患者を乗せたベッドや医療機器を乗せたワゴンなどの動線をナースステーションで管理したり、といったことも可能になる。 ※1

・旅客機の機内
2019年にエールフランス航空はフライト中の機内でLiFiの技術試験を世界で初めて実施した。 LiFiを導入した席においてフランスのゲーム会社と提携したビデオゲームのトーナメントを実施し、一貫して安定した状態でゲームを行うことができることを実証したという。
従来の飛行機の一般的なフライト中のエンターテインメントシステムの重量は1.3トンだが、Li-Fi 版はそれをほぼ半分にすることが可能で、機材重量の削減による燃料消費削減も期待できるという。 ※2

・原子力発電所
原子力発電所の建屋は、遮へい躯体構造であり、コンクリート壁・障害物により電波障害が発生しやすい。光を利用したLiFiであれば電波障害は発生せずに安定した送信が可能となる。

・セキュリティーが求められる場所
また、電波は完全に外部に漏れないようにするためには厳重な電磁シールドが必要となるが、光は壁やドアなどを貫通できないため、安全性が保たれ、ネットワークに接続できるアカウントをより簡単に制御できる。LiFiは高いセキュリティーが求められる場所にも適したシステムである。

※1 Wi-Fiの100倍速い!LED照明の光で無線通信できるLi-Fiとは. パーソナルテクノロジースタッフ. https://persol-tech-s.co.jp/hatalabo/mono_engineer/503.html
※2 エールフランス、oledcommの協力でWi-Fiの100倍速いLi-Fiを備えた初の商業飛行を実施. BRIDGE . https://thebridge.jp/2019/11/air-france-and-oledcomm-partner-on-first-commercial-flight-with-li-fi