マインドフルネスと光8─自宅での空間づくり1(光環境)


マインドフルネスを自宅で行う場合、リラックスできる反面集中することが難しい場合もある。マインドフルネスに集中しやすい自宅での空間環境について考察してみる。

マインドフルネススペースとしては日常から心理的に距離をおき、自分の注意を内面化させることがしやすい空間であることが大切である。

一人きりになれる空間で、人が入ってくる可能性の少ない閉鎖された空間が望ましい。寝室を選ぶ人が多いと思われるが、家の中でどの場所が自分にとって一番落ち着くかを見極めてその空間を、マインドフルネススペースとしたい。

マインドフルネスの目的であるストレスを軽減させ精神的に安定した自分を取り戻すためには、周囲が雑然としていたり生活用品の物に溢れている空間は、気が散って集中しにくい為、本来の目的を達成するには相応しくない空間と言えるだろう。できれば整理整頓された空間で快適にマインドフルネスを行いたい。

マインドフルネススペースの光環境は重要な要素であり、自分の内面に向かいやすく自分がリラックスして集中しやすい快適な光環境を設定したい。

そのためには、間接照明でやわらかい光に包まれた空間、自然光の入る空間、ほのかな光のある薄暗い空間など自分の好みの光環境に設定することが快適性に繋がるだろう。床に座してマインドフルネスを行う場合では、行灯のようなやわらかい光の照明器具を床に設えて落ち着いた感じを演出することも効果的である。

自然光の入る空間であればカーテンなどで光量を調節して最適な明るさに設定する。また、調光調色が可能な照明器具を利用すると朝夕の時間帯やその時の気分に応じた光環境の自由な設定が可能になる。眩しすぎる照明や明るすぎる照明は、マインドフルネスにはあまり適さないため避けたい。

ろうそくの炎のゆらめきは1/fのゆらぎと呼ばれ、人の心を落ち着かせる効果があるため、照明を消してろうそくのほのかな光を眺めながらマインドフルネスを行うのも良いだろう。

マインドフルネスを習慣化するためには光を工夫しながら上手に使って自分の嗜好に合ったマインドフルネススペースを構築することが大切である。次回にその他の空間要素について考えてみたい。