光のパブリックポリシー1 はじめに

エジソンが電球を発明してから約140年が過ぎ、その間に照明器具は生活の変化と共に著しい進化を遂げてきた。そして照明デザイナーは照明器具の発展と共に照明の光によって人々の暮らしを便利で豊かにすることに尽力してきた。

近年、私達の社会はグローバル化し、著しい変貌を遂げ続けている。コミュニケーションネットワークの広がりによる活動が盛んになり、仮想世界と現実世界の融合が図られるようにもなった。こうした進化する情報化社会に対応した変革が世界的に求められている。

また、新型コロナ感染症の拡大に伴い、テレワークの急増など、生活様式や企業活動が大きく変化している。そのためコロナ禍によるニューノーマルに対応した取り組みが多くの分野で行われている。

照明に関しても様々な角度から現状を見つめながら対応を考える必要性が出て来ている。そのために、今後の都市空間、居住空間の変容についての展望を見据えた上で、ヒト・モノ、経済、文化、情報、空間、などについて多角的に現状を把握し、照明の果たすべき役割について考察したいと考える。

そして、次世代の社会において果たすべき照明デザイナーの役割や照明デザインの意義についても触れてみたい。