光のパブリックポリシー5 夜間景観照明2

夜間景観が魅力的な場合、観光地では夜まで滞在して観光を楽しむ人が増えることで経済的効果が得られる。大きな経済的効果を得た例は各地にあるが一例として大阪の例をみてみる。

「大阪・光の饗宴2021」はコアプログラムとして御堂筋、中之島の2か所、エリアプログラムとして16か所において光のプログラムを実施した。実施期間は場所により異なるが2021年11月から2022年1月までである。

開催結果は来場者数約2,060万人、経済波及効果約1,056億円であった。ちなみに2020年の開催結果は、来場者数約1,211万人、経済波及効果は約630億円であり、2021年は人数、経済的効果ともに約1.6倍となっている。*1

また各プログラムの来場者を対象に実施したアンケート調査について取りまとめた結果、各プログラムに対して、約9割の人が「大変良かった」「良かった」と回答し、多くの人々が光のプログラムを楽しんだことが伺える。

また、夜景を魅力的にすることで観光地の宿泊客の増加が見込まれ、経済的効果も期待できる。

「平成 16 年京都市観光消費経済波及効果」によれば、日本の主要な観光都市5カ所(札幌、京都、大阪、神戸、北九州)の平均は、日帰り客と宿泊客とでは4.5倍ほどの消費金額(消費単価)の差があるという。

美しい夜間景観を創造することは多くの人を魅了し、その地域を活性化させる大きな要素となる。夜間照明計画は、光によってその場所の魅力を引き出し、再発見させるものとして重要な役割を担っているのである。

■参考文献
*1 https://hikari-kyoen.com/news/?p=325
*2 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasmin/2014f/0/2014f_57/_pdf/-char/en