WELL認証3-審査項目

WELL認証は大項目として異なる健康の目的ごとに設定された基本コンセプトがあり、それぞれに詳細な審査項目がある。審査項目は必須項目、加点項目に分かれ、獲得した点数によりプラチナ、ゴールド、シルバーの3段階で評価される。

WELL認証v1の基本コンセプトは7項目、v2の基本コンセプトは10項目である。

v1基本コンセプト7項目は、空気(29)、水(8)、食物(15)、光(11)、フィットネス(8)、快適性(12)、こころ(17)となっており、詳細項目の合計は100項目となっている。()内は詳細項目数を表す。

v2基本コンセプト10項目は、空気(14)、水(8)、食物(13)、光(8)、運動(12)、温熱快適性(7)、音(5)、材料(14)、心(15)、コミュニティー(16)となっており、詳細項目の合計は117項目となっている。

また、v1、v2共に基本のコンセプト以外にイノベーション項目があり、WELL認証項目にまだ含まれていない新しいコンセプトや既存の要件を上回る成果を得たものに対して評価し、加点するようになっている。

WELL認証のv2は従来のバージョンやv1を1つのWELLに統合し、あらゆるプロジェクトタイプに対応するようにしたものである。そして、公平性があり、グローバルであり、根拠主義に基づき、堅牢な技術を使用、顧客重視、テクノロジーの進歩に対応し、恒常的に各分野の新しい知見を取り入れて適応していく強靭さを持つという原則に基づいて作成されている。

認証取得までの流れをみてみる。まずプロジェクト登録をし、評価項目を満たしていることを記した書類を提出する。その後書類審査が行われたあとに現地審査が行われ、認証取得となる。取得した後には定期報告が義務化されており、3年後には再認証を受けなければならない。その再認証の際に建物の内部環境の質が最初の認証時点より大幅に低下しているとされた場合は、その建物の認証が取り消される場合もあるという。

WELL認証は項目の適切な維持に努力し、さらに追加の改善を行うなど建物性能の質の維持や向上に対して積極的な姿勢が必要であるとしている。人々の健康とウェルビーイングを促進、改善する理想的な建物環境の構築を掲げた人にやさしい空間認証制度と言えるだろう。