「正しく生きてきた人にとって、老いとは、沈みゆく太陽のように、穏やかでやわらかく美しいものです。」

ジェームズ・アレン(1864~1912年)はイギリスの作家で、自己啓発書と詩によって知られる。代表作「原因と結果」は自己啓発書の古典と言われており、現在も世界中で多くの人に読まれている。

ジェームズ・アレンは中部イングランドのレスター市で生まれる。生家が営んでいた事業が失敗し、父親はアメリカに渡り家業を再興しようとしたが、アレン15歳の時に強盗に襲われて命を落とす。アレンは経済的理由で学校を中退し、その後企業の管理・運営担当の仕事をして過ごす。

レフ・トルストイの書物に感銘を受け、38歳の時に執筆活動に入る。その後48歳で亡くなるまでの9年間という短い作家活動期間だったがその間に19冊の本を書いた。その豊かな発想は、後世の人達に大きな影響を今も与え続けている。

自己啓発書である「原因と結果の法則」は38歳の時に書かれたもので「あらゆる結果に対する原因は自分の心の中にある思いであり、気高い思いは気高い人を作り、低俗な思いは惨めな人を作る」ということが基本テーマとなっている。

彼の言葉に次のものがある。「心の穏やかさは智恵がもたらす美しい宝石である。それは長きにわたり忍耐強く自制心を培ってこそ得られるものである。」

正しく生きてきた人にとって、老いとは、沈みゆく太陽のように、穏やかでやわらかく美しいものです。

─美しいビジョンや高尚な理想を抱きながら生きてきた人にとっては老いとは悲観するものではなく、怖いものでもない。純粋な思いを持つ人は節度や自制を習慣とし、穏やかで平和な境遇を得ることができる。そして老いを自然な流れとして受け止め、いつか迎えるであろう最期の日まで、自分の歩みを穏やかに進めることができるだろう。それは一日の終わりに輝きながら沈んでいく太陽のように、終わりに向かって明るく輝きながら歩む美しい姿となるのである

彼の放った言葉の数々はきら星のように私達の心の中で光り輝く。この格言は自分の生き方を見つめ直すきっかけを作る言葉として皆さんの心に響いてくるのではないだろうか。