「ランプがまだ燃えているうちに、人生を楽しみ給え。しぼまないうちに、バラの花を摘み給え。」

マルティン・ウステリ(1763~1827年)はスイスの詩人であり、物語詩と牧歌の作品が有名である。上記の格言はウステリの詩による「人生を楽しみ給え」というドイツ語の民謡の歌詞の一部である。

人生を楽しみ給え
――人生を楽しみ給え ランプがまだ燃えているうちに
バラの花を摘め それらが 色褪せる前に

ひとはとかく 心配事や苦労ばかりして 茨の苦難を探し見出す
そして 道端に咲くスミレには 気づかずにいる

あらゆる生きものが 恐ろしさに顔を隠し 雷鳴が我らの上で轟こうとも
嵐が去った夕べには 微笑むのだ 太陽が ああ かくも美しく

誠意と忠実を愛する者には 貧しい同胞に 喜んで恵む者には
満足が みずからの小屋を 堅固に築き上げるのだ

行く道が ひどくせばまり 災難が我らを苦しめ 追い立てようとしても
誠実な者には 友情が やさしく 手を差しのべてくれるのだ――

人は何のために生まれてきたのだろうか。その答えは・・・人生を楽しむために。
――人間はみな限りある人生という道を歩む。そしてその道中で、喜び、苦しみ、悲しみ、などを経験する。ともすると人間は暗い部分に目がいきがちであるが、命というランプの炎が燃えている間は、たとえ苦しみに出会おうとも苦難のあとには明るい光輝く世界が待っていることを信じて人生を楽しみ、今ある幸せを噛みしめて生きることこそが大切である。――

ドイツ語圏で歌い継がれているこの曲は、戦後の日本でも一時期歌われたそうである。この歌詞が投げかけている「人生を楽しむ姿勢を持とう」というメッセージはきっと戦後の日本人の心にも響き、当時の戦争で傷ついた人々の心の支えとなる言葉となっていたことだろう。。




・参考資料
https://blog.goo.ne.jp/ybiws1992/e/30a73860413c38821700c37f3c3e853a