冬の空に揚がる凧

正月の風物詩として知られる凧揚げ。冬の澄んだ青空に、色鮮やかな凧がゆったりと舞い上がる光景は、新しい年の訪れを実感させてくれます。冬の寒さにより家にこもりがちになるこの季節、太陽の光を受けて輝きながら風に乗って空へと昇っていく凧の姿は、私たちの心を晴れやかにしてくれます。
日本に凧が伝わったのは平安時代とされ、中国からの伝来によるものと考えられています。その後、江戸時代には庶民の間で広まり、各地域で病気除けや火事除けといった縁起物として、また神事や祭りとしても凧揚げが行われました。
正月遊びの凧揚げには、子どもの健やかな成長や家族の願いを天に届けるという意味があり、高く揚がるほどその願いが届くと信じられていました。また、古くから「立春の頃に空を見上げることは健康に良い」とも言われ、新春を迎えると凧揚げをする習慣が根づいたとも言われています。
凧揚げは、コマ回しや羽根つき、福笑いと並んで正月の代表的な遊びとして親しまれてきました。しかし現代では電線や建物が増え、安全に凧を揚げられる場所が限られているため、身近で見かける機会は少なくなりました。それでも各地では今も凧揚げ大会が行われ、伝統的な大凧の迫力や滞空時間を競う姿に、多くの人が魅了されています。
冬の太陽は夏ほど強くはないものの、空気が澄み光の輪郭がはっきりと感じられます。空を見上げることで自然と胸が開き心も晴れやかになることでしょう。
厳しい寒さが続くこの季節だからこそ、凧揚げは冬の光を楽しむ絶好の機会でもあります。新年の空に舞う凧を思い浮かべながら太陽の光を全身に受け止め、一年の始まりを感じてみてはいかがでしょうか。


