ウェルビーイング14―住宅環境

コロナ禍を経て人々が住宅に求める要素に様々な変化が起きたといわれている。そして現代の住宅は多様な行為を行い、各人のウェルビーイングを高める多機能スペースとなっているのである。

コロナ禍の影響として著しい現象は、リモートワークの普及により、自宅において仕事をする時間が増え、住宅内にワークスペースを確保する必要性が高くなったことである。

ワークスペースについては居間の一部分に設けるケースが多く、居間に新たな機能が加わるようになった。仕事をする場面と仕事以外の行為の場面に分けて、それぞれの場面にふさわしい居間の環境づくりが求められており、照明による演出が効果的と考えられる。

居間を仕事中は覚醒度の強い色温度の高い光で作業を効率的に行える光環境とし、仕事以外の行為で過ごす時間は色温度の低い光で落ち着いてリラックスして過ごせる光環境とすることで快適な生活が実現できる。

また、コロナ禍の自粛生活によって、自分の人生観、幸福観に改めて目を向けることで、自宅で過ごす時間をより充実した楽しいものとしたいとする要求が高くなったといわれている。そのため、住居内にシアタールームやオーディオルームなどを設けたり、日々の暮らしに多様な行為の要素を組み込むようになってきた。

セルフケアに対する注目度も高くなり、自宅にサウナ室や運動、瞑想、などを行うスペースを設け、自宅に健康増進に寄与する機能を組み入れる例が増えている。また、良い睡眠に関しても関心が高く、就寝前の光環境を色温度の低いものにする配慮が重要であることを提唱したい。

基本的には住宅内ではサーカディアンリズムを取り入れた照明を行い、それぞれの機能に応じたスペースにおいては、照明の光を調整してよりウェルビーイングの高い彩り豊かな生活の実現を促したいと考える。