「宗教とは蛍のようなものだ。光るためには暗闇を必要とする。」


アルトゥール・ショーペンハウアー(1788~1860年)
アルトゥール・ショーペンハウアー(1788―1860)は、ドイツの哲学者である。厭世(えんせい)思想の代表者であり、彼の思想は、ニーチェなどの哲学者、思想家たちに大きな影響を与えた。

1788年、ショーペンハウアーは裕福な商人の家に生まれた。幼少期から父の意向により、家族でヨーロッパ各地を旅行した。その経験がのちの彼の世界観、芸術観にも影響している。

1809年の父親の死をきっかけにして、それまで学んでいた大学の医学部から哲学の道に方向を変え、プラトン哲学やカント哲学を学び、大学卒業後は古代インド哲学に触れた。

27歳で色彩論「視覚と色彩について」を著した。また、30歳の時には「意思と表象としての世界」を完成し刊行したが、商業的には不成功に終わった。

32歳でベルリン大学講師となったが、同じ大学に在籍して高い人気を誇るヘーゲルに対抗姿勢を取ったことでまもなく辞任となる。その後、35歳の時には病気により右耳が聞こえなくなってしまう。

若い時代は不遇ともいえる生涯であったが、63歳の時に発表した「付録と補遺」が高い評価を得て、ようやく世間の注目を集めるようになった。その後も研究を続け、72歳でこの世を去る。

ショーペンハウアー哲学の根幹をなすのは、「世界は意志の表象である」という独特の考え方である。私たちが認識するこの世界は、すべて私たちの意志の表れに過ぎないというのである。

また、彼は「人生は苦悩であり、この世界は可能なもののうち最悪のものである」という世界や人生を悲観的に見る「厭世思想」を主張した。そしてこの最悪な世界から救われるためには、人生が苦であるという事実と向き合い、欲望を捨てる必要があるとした。

宗教とは蛍のようなものだ。光るためには暗闇を必要とする。

――暗闇にほのかな光を放つ蛍。その蛍のように宗教は、人生において希望が持てない暗闇に包まれた時こそ価値ある存在として光輝く――

彼の思想は、芸術学、人間学、自然学、法律学から心理学まであらゆるジャンルを網羅して様々な角度から光をあてたものとなっている。私達もその思想に触れることで、現代社会に生きていく上で大切なものが何なのかが見えてくるのではないだろうか。


・ウィキペディア
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