光害9 ― 世界の光害防止の法律

光害についての認識は、世界的に広まっており、国や地域において、光害に対する法律や政令、技術基準、マニュアル・ガイドライン、などが制定されている。今回は、スロベニアとフランスの「光害防止の法律」の内容について紹介する。*1
世界で最も早い時期に光害防止に関する法律を制定した国の一つが、スロベニア(2007年制定)である。スロベニアの法律は、様々な場面での屋外照明について細かく規定されており、上方光束比(照明器具から出る光束のうち、水平より上方へ向かう光束の割合)は、ほとんどの場合 0 %とし、その他の制限値も極めて厳しく規定している。相関色温度についての基準は特に設けてられていない。
スロベニアの2021年の報告によると、現状では、上方光束比 0 %の照明器具が広く普及しているという。しかし、消費電力の小さなLEDの普及により、新たな場所に道路灯・街路灯の設置が広がっており、 光害の拡大は進んでしまっているとしている。
フランスでは2018年12月に「光害防止の法律」が制定され、構成は主に、「屋外照明の設計と運用」に関する要件を細かく定めたものと、天文台周辺地域を最高レベルの保護を受ける場所として指定するものとなっている。
内容的には、屋外照明の設置状況毎に、点灯消灯時刻、上方光束比、色温度、光束密度(㏐/㎡)などの技術的制限が細かく示されている。色温度については基本的に3000 K以下と定められており、保護地域では2700 K以下または2400 K以下となっている。
スロベニアやフランスの光害に対する法律は、主に屋外照明に関係した事柄を具体的に細かく規定しており、その内容は高く評価すべきものと考える。
参考資料
*1:越智信彰 「海外の光害防止法の先進事例―スロベニア・フランスー」


