大阪・関西万博 建築景観賞 金賞受賞「バーレーンパビリオン」

Photo: © Ishaq Madan
大阪・関西万博 建築景観賞 金賞受賞 「バーレーンパビリオン」
バーレーンパビリオンが大阪・関西万博公式参加者褒賞の建築・景観部門にて金賞を受賞したことを受けて、改めてパビリオンとその照明についてご紹介する。
バーレーンパビリオンのテーマは、「海をつなぐ―五感で巡る旅」である。
設計者のリナ・ゴットメは、「自然環境と対話する建築を創造する」というデザイン哲学のもと、伝統的な木造帆船であるダウ船をモチーフに、日本の木工技術と融合させたサステナブルなバーレーンパビリオンを誕生させた。
パビリオン両側には海を模した水盤が設置されており、広大な海を風を受けて力強く進む船の壮大さを見事に表現している。
照明は、水盤に水中照明を配置し、木構造の外観を照らし上げて「母なる海」を進む帆船を光によって演出した。
パビリオンの内部に入ると現れる大きな4層の吹き抜け空間は、自然光と間接照明により柔らかな光で包まれており、来訪者に安心感と落ち着きを与えている。
その中で側面の膜に映写されるバーレーンの歴史や現代の姿はこれから始まる展示物鑑賞の旅への期待感を高めている。
静かな博物館のような印象の展示コーナーは、外部からは部分的に自然光が差し込み、内側のメッシュ膜に拡散された光と融合したやさしい光に満ちた展示空間となっている。
展示物にはミニマムなスポットライトの光を照射し、それぞれの展示物が光を浴びてその魅力を語りかけてくるような効果を生み出している。
展示内容は、バーレーンの海洋の歴史と未来への希望が盛り込まれた展示内容となっており、視覚、聴覚、臭覚、触感、味覚などの五感に訴えて感性豊かに展示物を楽しむことができるようになっている。
今回、建築景観賞の金賞という評価を受け、バーレーンパビリオンにふさわしい照明の光を計画したことにより、未来に向けたバーレーン国の歴史ある物語を光で演出し、そのメッセージを伝える一助となったのではと考える。
バーレーンパビリオンの建築は万博閉幕と共に解体され再利用されて新たな出発を迎える。
パビリオンが発したメッセージは、光と共に訪問者の心に刻まれて未来へと繋がっていくことを期待したい。



