光害3 ― 植物の影響

地球上の植物や動物は、太古の昔から、昼と夜のサイクルに従って生きる営みを行ってきた。しかし、人工照明により、光の照射を受ける時間帯が変化し、さらに近年、「光害」により動植物に深刻な影響が出てきている。
植物への影響
・農作物への影響
稲は夏から秋にかけて日が短くなる時期に穂を出すが、夜間に至近距離から街灯の光に照らされることで夜間を日中と勘違いし、出穂期が遅れたり、収穫量や品質が落ちる現象が起きる。出穂が10日以上遅延し、半分近くが青米になってしまったという例がある。他に、光に敏感な性質のホウレンソウでも光害による生育の問題が報告されている。*1
・野性植物への影響
街路灯の光により、樹木の生育、落葉期の遅れが起こり、樹木の体力低下に結びつく。ハナミズキやスズカケ、ニセアカシアなどの樹木にも影響がみられているという。*2
足元灯の光に照らされ続けたことよりつつじの葉が無くなってしまった例も報告されている。落葉が不均一になることで、清掃などの管理に支障が出る問題も指摘されている。
また、夜通し点灯されている街路灯に照らされた街路樹の葉が硬くなり、昆虫の食欲が低下して個体数が減少する現象が起きている。*3 昆虫が減少することは、食物連鎖に大きな影響を与え、自然生態系全体のバランスを崩すことに繋がる。
水中植物である藻にも影響があり、湖周囲の光害により、魚が水面の藻を食べることが妨げられ、有害藻類ブルームが発生してしまい、湖の魚を全滅させる例も報告されている。*4
街路灯からの不適切な光の放射が原因による植物への影響は、まだ分かっていない部分が多いが、これらの問題を解決していくためにもこれからの調査・研究に期待したい。
参考文献
*1:地域照明環境計画策定マニュアル https://www.env.go.jp/content/900400141.pdf
*2:https://www.iwasaki.co.jp/corporate/sustainability/eco/suggestion/environment.html
*3:https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/24/080800426/
*4:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%89%E5%AE%B3


