光害6 ― エネルギーへの影響


光害の原因となる必要以上に高い照明レベルや、必要のない場所や時間に光を当てる照明―いわゆる質の悪い照明―は、エネルギーの無駄遣いに繋がる。そのエネルギーの浪費は、経済的損失を生み、気候変動を助長し、地球環境にも甚大な影響を及ぼすことになる。

国際ダークスカイ協会は、2013年に、世界全体の「屋外照明によるエネルギーの浪費」などの推計を発表した。それによると、
・世界全体のエネルギー消費のうち、屋外人工照明に使用されている割合は8%で、そのうち約60~70%が「浪費」となっている。
・浪費分を換算すると、1.1PWh(ペタワット時)の電力量、500基の発電所出力、775万世帯の使用電力、750Mt(メガトン)のCO2、1100億ドルのコストに相当する。*1

アメリカでは、無駄な照明により年間約33億ドルの電気代が浪費され、2,100万tのCO₂を排出しているという試算がある。このCO₂を相殺するには毎年8億7,500万本の木を植える必要があるという。*2

日本においては、過去に戸数6千戸、人口約2万4千人の団地の水銀灯照明の実態調査が行われ、街灯と駐車場に使用されている照明の電気エネルギーの約60%が無駄になっているという結果が出ており、電気量にして12万KWH相当が浪費されているとしている。*3

屋外照明は、世界的に今後さらなる成長が予測されており、光害を最小限に抑える対策が非常に重要な課題となっている。より効果的な対策を施すことで、効率的な屋外照明技術の推進とエネルギー消費量の削減が図られ、屋外照明のあるべき姿に近づくことだろう。

参考資料
*1:https://darksky.jp/324/
*2:https://hoshizorahogoku.org/light-pollution/
*3:Local Information Sheet 4 (Edition No. 1, July 1996)