天灯(てんとう)

中国では、旧正月である「春節」と並んで大切な祭日として「元宵節(げんしょうせつ)」があります。元宵節には、天官(天の神)を祭り、提灯(中国語で「燈籠」)を飾りつけ、華やかな雰囲気を作り出しながら、吉祥や邪気払いを行っていました。宗教的な要素は次第に薄れましたが、現在でも元宵節には色鮮やかな提灯が用いられ、「灯節」とも呼ばれています。
今回は、特に「天灯(てんとう)」と呼ばれる熱気球の一種に注目します。最近ではランタンフェスティバルなどでもよく見られるこの天灯は、もともと戦時中の通信手段として使われていたものです。しかし現在では、中国南部を中心に、元宵節に天灯を空に放ち、無病息災を祈る民俗行事として広く親しまれています。
火の光がぼんやりと浮かび、天灯が夜空に舞い上がる姿はとても美しく、自分の願い事を書き込んだ天灯が空高く昇っていく様子は、神秘的です。火の発見は、私たち人類にとって大きな進歩をもたらしました。火を使って調理ができ、火の光で夜でも活動できるようになった一方で、火の扱いを誤ると命を奪う危険も伴います。このように、火が私たちにとって命を支える一方で、畏敬の念を抱かせる存在であることに、改めて気づかされます。
火の光が持つ神秘性に、私たちは今も魅了され続けているのかもしれません。


