春の光と深みを増す緑色

春の日差しが若葉に降り注ぎ、まるで生命力が注がれたかのように、夏に向けて深みを増していく緑色。春を表現した季語の中には、そんな鮮やかな青葉と生命力溢れる情景を想起させる言葉が多く存在する。今回は春の光と葉の緑色の関係について紹介する。
春の日差しが若葉に照射されると、葉の中にある葉緑体に含まれる色素が光を吸収し、有機物(でんぷんなど)を生産します。このプロセスを光合成と呼び、植物が成長するためのエネルギーを作り出す重要な手段です。
葉緑体に含まれる色素には、緑色のクロロフィルと黄色のカロチノイドが存在し、これらの色素によって葉の色が変化します。新緑が芽吹き始めたばかりの若葉は、クロロフィルよりもカロチノイドの色が目立ち黄色に近い色をしています。葉緑体が発達し、春の日差しを存分に浴びることにより、クロロフィルが増え、緑がより濃く深みを増していくのです。
こうして春の日差しをたっぷりと浴びて育つ若葉は、その鮮やかな緑と共に、私たちに季節の移ろいと生命の息吹を感じさせてくれます。春から夏へと移ろうこの季節、太陽に照らされ深みを増していく青々とした緑色の変化に目を向けてみてはいかがでしょう。


