「ローソクのように、自ら光輝き、皆さんの周りを明るく照らしてください。」


マイケル・ファラデー(1791~1867年)は、イギリスの化学者・物理学者である。現在の電気を使用したテクノロジー全般が彼の業績から発展したものであり、19世紀最大の実験科学者と評されている。彼の業績をいくつか挙げると「塩素の液化」「ベンゼンの発見」「電動モーターの発明」、「変圧器の発明」、「発電機の発明」などである。

ファラデーはイギリスのロンドンで貧しい鍛冶職人の息子として生まれた。学校には行けず、13歳で本屋の年季奉公をし、そこでの読書により独学で学びを深め、数々の実験をして発明を行っていた。22歳で王立研究所の実験助手に採用され、35歳で所長に就任した。

その頃から世界の優秀な科学者たちを集めたレクチャー「金曜講演」や、少年少女向けのレクチャー「クリスマス・レクチャー」を開始するなど、科学教育にも熱心に取り組んだ。

「クリスマス・レクチャー」は1861年に「ロウソクの科学」という本にまとめられ、8歳の子供から楽しめる本として出版から160年以上経た現在でも、世界中で読み継がれている不朽の名著となっている。

内容はロウソクが燃える仕組みから始まり、ロウソクが燃えた後に生じる生成物、気体の性質などを語り、最後には人間もロウソクであることを示し、自然界の不思議さや、人間が燃え続けるためには植物などとの共生が欠かせないことを示して終わっている。

ファラデーの功績は多岐にわたるが、電気化学の最大の功績は、「ファラデーの法則」として知られる電解の法則を確立したことである。この法則により、近代電気化学の基礎が作られたといわれている。

数々の偉大な功績を残して1867年、ファラデーは75歳でこの世を去った。

ローソクのように、自ら光輝き、皆さんの周りを明るく照らしてください。

―ローソクのように、自らが燃えて光輝き、その知識や経験で周囲の人々に自然科学の楽しさや人生の楽しさを教えてあげてください―

ファラデーは、「ロウソクが見せる物理現象について学ぶことが、自然科学に入門するための、もっとも入りやすい最良の入り口なのです。」と述べていた。
この格言には、ファラデーのこの気持ちが込められているように感じられる。
人類にとって多くの貴重な発明を行い、最後まで一研究者としての姿勢を貫いたファラデー。その人生こそが人類における光輝く大きなロウソクであったといえるのではないだろうか。