ウェルビーイング15―未来に向けて

2025年開催予定の大阪万博は、「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマとなっており、新たないのちのありようや社会のかたちを検証し提案する博覧会となっている。

「いのちが輝く未来社会」とは、多様ないのちを尊重して個々人のウェルビーイングを高めてこそ実現できる社会である。多くのパビリオンにおいて、ウェルビーイングに関する提案が行なわれる予定で、その内容には期待したい。

各提案からは、新たなウェルビーイングへの視点の発見や気付きが生まれ、今後のウェルビーイング社会達成への取り組みに弾みをつけることができることだろう。

また、日本でこれからの社会を担うZ世代は、個々を尊重するウェルビーイングの考え方に共鳴する部分が多い世代といえる。自分らしい生き方へのこだわりが強く、モノよりも体験をはじめとした精神的な充足を重んじる傾向を持っており、ウェルビーイングの概念に通じる。

Z世代がこれからの時代、社会活動の中心となっていくことでさらなる社会全体のウェルビーイングの発展を促していくことが予測される。

日本において「ウェルビーイング」という言葉の認知度は、2023年に電通が実施した「ウェルネス1万人調査」によると25.4%であったという。前年度調査では20.8%であり、わずかに増加しているが、その割合は決して多いとは言えず、人々の認知度を上げるために周知を図る必要があるといえる。*1

「誰一人取り残さない世界」を目標にしたSDGsにおいても、ウェルビーイングはその基本的概念になっている。ウェルビーイングについて理解し、個人から仲間、社会、世界、そして地球のウェルビーイングにまで視野を広げ、これからの時代をより幸せに満たされた世界にすることを目標に取り組むことを提唱したい。

先の見えない混迷の時代に生きる私たちにとって、ウェルビーイングに積極的に取り組むことは、様々な課題を克服し、新たな価値を生み出す可能性を開くことにつながるといえるだろう。

そして、心身に影響を与えることが確認されている照明の光については、理想的な光環境を計画、実現することでウェルビーイングを高めることに貢献していくことが可能であると考える。

■参考資料
*1
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2023/0830-010631.html