ウェルビーイング3―国内の動き

2010年に内閣府に設けられた「幸福度に関する研究会」が2011年に発表した「幸福度に関する研究会報告」では1978年から2011年までGDP(国内総生産)が増加しているにも関わらず、幸福度・満足度が横ばい、またはわずかに減少していることを明らかにしている。
その後、上記の結果やGDPを超えた指標である新たな幸福度指標の作成が世界で進んでいる動向を踏まえて、日本ではGDP増加至上主義からの脱却を目指すために「新成長戦略」に幸福度指標を作成する旨が盛り込まれた。
また、内閣府では、2019年より「満足度・生活の質に関する調査」を実施し、その 結果に基づき、健康、社会とのつながり、といった11分野の指標群をダッシュボードとして示してきた。2021年その指標に新たに主観的well-being の指標(生活満足度)が付け加えられた。
自民党は2021年に「日本Well-being計画推進特命委員会」を設置し、産学政官による議論 を開始した。また、「Well-beingに関する関係府省庁連絡会議」が設置され、情報共有、連携強化、優良事例について横の展開を図る体制づくりを行った。
2021 年3月に閣議決定された「科学技術基本計画」では、Well-beingに関する方針が 明確化された。「一人ひとりの多様な幸せ(Well-being)が実現できる社会」という目標を定めるだけではなく、 Well-being に関する指標群をKPI(組織の目標を達成するための重要な業績評価の指標)として設定し、進捗把握を行うことが明記された。
「経済財政運営と改革の基本方針2021」では、「デジタル時代にふさわしい質の高い教育を実現するため・・(中略)・・・人と人との触れ合いも大事にしながら、これらの取組を通 じて個人と社会全体のWell-being の実現を目指す。」との文言が盛り込まれた。
また、2022年内閣府において子供・若者のWell-beingに係る調査の統合・新設が行われ、子供・若者を取り巻く状況についてWell-beingの観点も踏まえての調査設計を実施する体制となった。
経済産業省においては、企業の「健康経営度調査」において企業の取り組み状況に関する調査項目をより充実させて「Well-beingと企業経営の関係」をより明解に分析することを目指している。
上記のように日本国内では「一人ひとりの多様な幸せ(Well-being)が実現できる社会」を目指して、様々な方面からの研究、調査、施策、などの取り組みが行われている。
■参考文献


