バーレーンパビリオンの照明2―ウェルビーイングな照明①

バーレーンパビリオンはフランスパリに拠点を置くLina Ghotmeh-Architecture(リナ・ゴットメアーキテクチャー)による設計である。
照明は、建築照明計画株式会社(以下「ALG」)が担当し、バーレーン国を象徴するウェルビーイングな光空間を創造した。
リナ・ゴットメ氏は「この館の形状は、かつて東アラビアと東アフリカの海岸を航行していた船を彷彿とさせ、海を航行するバーレーン国家の魅惑的な物語を織り成しています。」と語っている。
バーレーン国は古くから中東と他の地域をつなぐ交流の窓口として海上交通の中心地だった。周辺国の影響を受けつつも、独自の文化とアイデンティティを築き上げてきたため、その文化は非常に豊かである。
バーレーンは、紀元前から天然真珠の採取による真珠産業により栄華を極めていた。養殖真珠の登場などにより、現在では、バーレーンの基幹産業としての天然真珠産業は他の産業にその席を譲った形となっている。
伝統的な真珠採取方法は、ダウ船(木造帆船)を使い、素潜りで行われていた。ダウ船は、外板を固定するための釘を一切使わずに、ココヤシの繊維の紐で縫合して組み立てることが特徴の船である。
パビリオンはそのダウ船を模しており、バーレーンの伝統的な造船技術と日本の木工技術とが融合した建築となっている。木造の構造とアルミニウムの外壁で構成され、万博終了後は、リサイクルが可能となっているサスティナブルな建築である。
パビリオン両側には、海を象徴する水盤が設置されている。そして水盤の中の水中照明が、水面からの光を建物の壁面に映しこみ、その波動を視覚化する。パビリオンが「母なる海」からの光を受けて航海しているかのような光の演出である。
水中照明は、バーレーンの国旗の色である赤と白の光の演出も可能なRGBになっており、時間帯に応じた制御もできるDMX制御方式を採用している。
夜間にはライトアップの美しい光がパビリオン全体を浮かび上がらせ、光に照らされたパビリオンの外観は、かつてバーレーンの栄華を支えたダウ船の姿を彷彿とさせ、「母なる海」に抱かれて発展してきたバーレーンの歴史を象徴しているかのようである。
Photo: ©Lina Ghotmeh – Architecture


