光害7 ― 星空への影響

光害の一種に、「スカイグロー(Skyglow)」という夜空を明るくしてしまう現象がある。スカイグローとは、地上で放たれた光が夜空に向かい、大気中の微粒子などで散乱されて戻ってくる現象のことで、「天空発光」とも呼ばれている。
近年普及しているLED照明器具は、エネルギー効率が高く、環境への配慮とコスト削減に効果があるが、大気中の粒子に散乱しやすい短波長の青色光を多く放出するため、空に多くの光を作り出してスカイグロー現象を起こす原因にもなりうる。
このスカイグロー現象や街に溢れる照明の光害の影響により、美しい星空の鑑賞や、天文観測、研究に支障が及んでいる。
星空観察に関しては、澄んで暗い夜空ならば、人間は約3000個の星を肉眼で見ることができると言われている。*1しかし、急速に広がる光害の影響により、数多くの星が肉眼の視界から消えつつあるのである。
アメリカニューヨークのエンパイアステートビルの展望台からは、マンハッタンの街並みなどの美しい夜景を楽しむことができ、街の灯りがまるで空の星のように見えると表現されることがあるが、実際の星の数は、光害によりごくわずかしか見られない。
子供たちが自然や宇宙に想いを馳せることができる星空、人間の長い歴史の中で数々の科学や宗教、哲学、芸術、文学などを生み出してきた星空、その貴重な星空が、先進国や都市を中心に失われつつある。
私たちは、美しい星空を守るために光害を減らしていく努力をしていかなければならない。
参考資料
*1:https://www.kahaku.go.jp/exhibitions/vm/resource/tenmon/space/seiza/seiza01.html


